白雪姫(Snow White And The Seven Dwarfs)の紹介と感想
あらすじ(ネタばれなし)
1937年公開の世界発のアニメ長編作品。87分間。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作。
おのれの美に固執する女王は世界一美しい白雪姫に嫉妬し、殺害しようとする。
何とか魔の手から逃れた白雪姫は、森の奥で7人の小人に出会い交流を深め楽しく暮らすことにする。
しかし、姫が生きていることに気が付いた女王は自ら手を下そうと老婆へ変身して、
白雪姫の元へ向かうのだった…
こんな人におすすめ!
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Disney作品の原点を見たい人
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手描きの絵、美しい背景を味わいたい人
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誰もが聞いたことがある歌や音楽を楽しみたい人
1。Disney作品の原点を見たい人
1937年(!)に制作された世界発の長編アニメーション作品です。
それまでのアニメーションの常識は「10分以内で終わる一発ギャグ」だったようですが、
それを、従来のギャグ要素を保ったまま、心情の機微や美しい背景、歌を絡めて練り上げ、
1時間越えの作品にしたという大発明がこの「白雪姫」です。
これを境目にアニメの常識が大きく変わり、長編の作品が作られるようになっていくわけですね。
今我々がテレビで目にする全てのアニメは、「白雪姫」から始まったと言っても過言じゃないです。
Disney作品や色々なアニメのファンの中には、原点を知りたいというタイプの方もいることでしょう。
この作品はそんな方には必見です!
Disney+だと特典映像で「はじめての長編アニメーション」という30分くらいのドキュメンタリーも見ることができ、制作秘話を見られて理解が深まりますよ!
2。手描きの絵、美しい背景を味わいたい人
1937年代にはデジタル技術がないため、all手描き・手塗りです。
手描きだというのに、登場人物はとんでもなくヌルヌル動きますし、背景の描きこみはエグイです。
今見ても全く粗さを感じないということは、
人の手作業だけでデジタルに匹敵する量の仕事をやったというわけです。
どれだけの血と涙と労力が費やされたことか…想像すると気が遠くなりそうです。
画風は、近年のデジタルやモーションキャプチャーで構築した精巧な絵とはちょっと異なる、
良い意味でアナログな味のある絵柄を存分に味わうことができます。
ひと昔前の温もりある絵が好きな人には懐かしさを感じられるはずです!
3。誰もが聞いたことがある歌や音楽を楽しみたい人
「白雪姫」には、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう名曲が使われています!
一番の有名どころは、7人の小人たちの歌う「ハイ・ホー」でしょうか。
白雪姫の「いつか王子様が」も聞いたことがある人は多そうです。
初めて聞く曲も、一度聞くと忘れられないタイプの印象的な名曲が多いですね。
私は白雪姫と森の動物たちが掃除するときの歌が大好きです!
歌や音楽の質を大切にする人は、楽しめると思います!
こんな人は避けた方がいいかも…(作品の注意点、内容バレ少しあり)
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あっと驚くどんでん返し、斬新さや物語自体の深さを楽しみたい人
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王子様の活躍を見たい人
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ホラー耐性が全くない人
1。あっと驚くどんでん返し、斬新さや物語自体の深さを楽しみたい人
お話の内容自体は結構シンプルです。
近年は緻密な伏線やどんでん返しが沢山盛り込まれている作品が多いので、
そういうのに慣れている人や、意外性のあるもので驚きたい人にとっては、
かなりアッサリした印象を受ける可能性が高いと思います。
お話の奥深さというよりは、この作品が誕生したことの価値や当時の技術の結晶を体感することに
意味がある作品ですかね。
2。王子様の活躍を見たい人
王子様は、ほんのちょこっとしか出てこないです。
恋愛については、一目惚れしてキスしてハイ結婚という超アッサリ描写なので、
キュンキュンを求めるには少し物足りないかもしれないです。
「白雪姫」の約20年後の「眠れる森の美女」以降の王子様たちには、
個性の掘り下げと活躍シーンも描かれるようになるので、
王子様の活躍を見てときめきたい方は、後の作品がおすすめです。
3。ホラー耐性が全くない人
絵本のような柔らかいタッチで、かわいらしい小動物も沢山出てくるおとぎ話ですが、
白雪姫が森に逃げる序盤のシーンや女王が老婆に変身するシーンなどは、なかなか怖いです。
本格的なホラーやグロでは全くありませんが、ホラーがまっっったくダメな人や、
怖がりな小さいお子さんは一応要注意かもしれません。
印象に残ったセリフ・歌詞
♪ Some day my prince will come
Some day we’ll meet again
And away to his castle we’ll go ♪
♪ いつか必ず王子様が私を見つけだしお城へ連れていく♪
by白雪姫(「いつか王子様が」)より
まとめ
戦前にここまでヌルヌル動く1時間越えのアニメを手描きで作るという、
当時のディズニーの並々ならぬ情熱を伺えます。
全てのアニメの転換点となった世紀の大発明を是非いちど見てみてはいかがでしょうか。