ピノキオ(Pinocchio)の紹介と感想
あらすじ(ネタばれなし)
1940年公開のアニメ作品。91分間。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作。
ジャンルはファンタジー、アドベンチャー。
おもちゃ職人のゼペット爺さんは自作のあやつり人形にピノキオと名付け、
この子が本物の子供になりますようにと星に願う。
願いは届き、女神によってピノキオに命が与えられる。
善悪を知り勇気をもって正直で優しくあれば、動ける人形ではなくいつかは本当の人間になれますと説明し、
「良心」としてピノキオを導くようコオロギのジミニークリケットに使命を与え、女神は去る。
生まれたばかりで善悪の区別がサッパリつかないピノキオに対し、
ジミニーは物事の規範を教えようとする。
しかし、家の外にはあらゆる誘惑が溢れており、ピノキオは様々な事件に巻き込まれていく…
こんな人におすすめ!(少しだけ内容バレあり)
-
世間ずれした大人の皆さま
-
人として大切なものが何なのか学びたい人
-
ジミニークリケットの奮闘を見たい人
-
ゼペット爺さんの意外な一面を見たい人
1。世間ずれした大人の皆さま
人として、思いやりや優しさを忘れないことの大切さ。
「良心」は誰の心にもあるがその声は小さく、つい無視してしまうこと。
そんな当たり前のメッセージをストレートに伝える作品です。
自分の都合やその場だけの快楽を優先しがちな私には、なかなか身に積まされるお話でした。
私は人間としての良心を無視してはいないか?と考えさせられましたね…。
大変なことが多い世の中を渡るうちに、だんだん刹那的で自己中になっていった大人は多いはずです。
「ピノキオ」はそんな擦れた人生観を少し見直すきっかけをくれますね。
2。人として大切なものが何なのか学びたい人
「善悪を知り人に正直で優しくあることで本当の人間になれる」というのは、
私たちに向けられた直接的なメッセージですね。
とても教育的な内容だと思います。
大人の皆さんの他、お子さんへの教育的な意味で見てもいいと思います
3。ジミニークリケットの奮闘を見たい人
「ピノキオ」を見たことのない方でも、ジミニークリケットのことは知っている人は多そうです。
彼は、物語の進行役でもあり、「良心」の象徴そのものです。
大きくて力強いキャラクターではなく、鼻息で飛んでいきそうな小さな虫を「良心」にしたところが
当時のディズニーのセンスの素晴らしさだと思います。
物語の序盤から中盤にかけて、誘惑に目がくらんだピノキオが、ジミニーの勧告に耳を傾けずに
道端に置いて行ってしまう展開が多発します。
ジミニーの方も、フラフラと刹那的な快楽に流されていくピノキオを一瞬見限ろうとしますが、
結局はその小さな体で必死にピノキオを追いかけ、どんなに絶望的な状況でもついて行きます。
その奮闘ぶりは、キャラクターとしてはとてもいじらしくてかわいいですし、
彼の言動そのものが「ピノキオの良心」であることが見事に象徴されています。
4。ゼペット爺さんの意外な一面を見たい人
ゼペット爺さんは弱々しい人だと勝手に思っていたんですが、
「ピノキオ」を初めて見て、かなり印象が変わりました。意外性のある男でした…!
実は作中きってのタフ爺だったのですね。
枕の下に銃を持ってたり、頭から水をかぶったり、子猫と金魚だけを連れて船で大海原へ出たり、
仕舞には魚の一本釣りを次々に決めたりと、なかなかのイカれた男っぷりです。
今の言葉で言うと、「おもしれー男…」ってやつです。若い時はどんな人だったか気になるところ。
ゼペット爺さんの意外な一面を見られるというだけでも、見る価値があると思いましたね。
とは言っても、ピノキオを心配する姿は普通の老親でしかなく、
あまり無理しないで…!とある意味ハラハラしましたけれども…
こんな人は避けた方がいいかも…(作品の注意点、内容バレ少しあり)
-
ホラー耐性が全くない人
-
心身の調子が悪く、休養を優先するべき状態の人
-
「正しさ」について説かれる気分ではない人
1。ホラー耐性が全くない人
ホラー作品ではないのですが、結構怖い展開が多いです。
特に後半の「プレジャー・アイランド」や「モンストロ」は演出も展開も恐怖でしかありません。
いきなりドンと出て来て驚かせたりグロい展開になったりはしませんが、
小さいお子さんやホラー耐性が全然ない人の心臓には悪いかも…
2。心身の調子が悪く、休養を優先するべき状態の人
「ピノキオ」は、教育的なメッセージをかなり前面に出している作品です。
「まったり楽しくやりましょうやぁ」よりは「ちゃんとしなさい!」というタイプで、
令和の現代ではなかなか作れないやつだと思います。
「だらだらと休む」と「きちんとする」を上手く区別して暮らせる人なら問題ないんですが、
「休む」ことに罪悪感を持ってしまうタイプの人や、
体調を崩して強制的に休むことになったが、そのことに焦っている人にとっては相性が悪い作品です。
別に「24時間ずっと模範的にキビキビ働け」とまでは言ってないんですけど、
焦っていると、そこを無駄に深読みしちゃうんですよね…(筆者の経験談)
3。「正しさ」について説かれる気分ではない人
1940年公開なだけあって、2020年代にウケる倫理観ではない作品と言えましょう。
善悪をちゃんと知ること、人に優しくすること、勉強することが人間として大切であることは、
個人的には、今も昔も変わらないとは思いますが。
そんなメッセージが古臭く、陳腐で、ダサいと感じる方もある程度はいそうです。
もっと斬新なものを見たい人とは相性がやや悪いかもしれないですね。
印象に残ったセリフ・歌詞
Prove yourself brave, truthful and unselfish, and someday you will be a real boy.
勇気を持って、正直で優しければ、いつかは本当の子供になれます。
by ブルーフェアリー
まとめ
人間として本当に大切なのは何か。
なかなか身に積まされる名作でした。
ホラーが本当にダメな人や、今は休息が最優先の人以外は是非いちど見てみて下さい。