ファンタジア(Fantasia)の紹介と感想
あらすじ(ネタばれなし)
1940年公開のアニメ作品。126分間。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作。
ジャンルはファンタジー、音楽。
私たちが一度は耳にしたことがある美しいクラシック音楽。
8曲の有名で美しい音楽に美しいアニメーションを併せて、優美な世界を魅せてくれる。
曲目
- トッカータとフーガ ニ短調 (J.S. バッハ) 4:10~13:35
- 組曲「くるみ割り人形」 (チャイコフスキー) 14:30~28:45
- 魔法使いの弟子 (デュカス) 29:49~39:07
- 春の祭典 (ストラヴィンスキー) 42:40~1:05:17
- 田園交響曲 (ベートーヴェン) 1:13:50~1:36:08
- 時の踊り (ポンキエッリ) 1:37:00~1:49:20
- はげ山の一夜 (ムソルグスキー) 1:50:23~1:56:05
- アヴェ・マリア (シューベルト) 1:56:05~2:04:16
こんな人におすすめ!(少しだけ内容バレあり)
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クラシック音楽になじみのない人
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魔法使いの弟子ミッキーの元ネタを見ておきたい人
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かわいいものが好きな人
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分割して見たい人
1。クラシック音楽になじみのない人
クラシック音楽に興味や馴染みなんてないよぉ…という人にこそおすすめの作品です。
私は音楽にとても疎いのですが、幼少期にテレビで流れていたこの作品のおかげでクラシックの有名どころを知ったと言っても過言ではありません。
幼少期はクラシック音楽の存在すら知りませんでしたし、
映像の意味も全く分かりませんでしたが、なんとなく目線が吸い寄せられるというか。
何もわからないなりに魅力に引き付けられていましたね。
印象的な音楽にピッタリの魅力的なアニメがオムニバス方式で繰り広げられるので、
老若男女飽きることなく楽しめること間違いなしです。
2。魔法使いの弟子ミッキーの元ネタを見ておきたい人
ディズニーリゾートやグッズで度々目にする、青いトンガリ帽子に赤いローブのミッキー。
あのコスチュームは有名だと思いますが、出自はこの作品です。
もっと細かく言うなら、3曲目の「魔法使いの弟子」。全体の29:50頃~39:00頃までです。
ミッキーのファンには必見パートと言えましょう。
内容は結構ハラハラして、若干ホラーサスペンス味があります。
10分程度のパートとは思えないほど無駄なくまとまっており、非常に満足度が高いです。
ちなみにディズニーのゲーム「キングダムハーツシリーズ」に出てくる大魔法使いイェン・シッドも、このパートからのゲストです。
3。かわいいものが好きな人
妖精やユニコーンなど、「かわいい」をこれでもかと詰め込んだパートが沢山あります。
個人的に一番好きなのは2題目「くるみ割り人形」の中のきのこ達の踊りです。
全体で言うと17:00~30秒程度で瞬きの間に終わるパートですが、たまらなくかわいいです。
あのプルプルする踊りを見るたびに心が浄化されます…
「ファンタジア」全部見るのが長すぎるという方も、あの部分だけでも見てほしい!!です。
勿論きのこの踊り以外にもかわいいところはたくさんあります!
「くるみ割り人形」は全体的に幻想的で水彩調なかわいらしさ、
「田園交響曲」はメルヘン、ポップなかわいらしさ、
「時の踊り」はコメディ調で明るいディズニーらしいかわいらしさ…というイメージです。
全ての曲が作者が違うように、アニメの雰囲気も全然違っていて、
「かわいい」にも色々な種類があるんだなということがよく分かります。
自分の好みの「かわいい」を見つけるのもおすすめですね!
4。分割して見たい人
全部ぶっ通しで見ると約2時間となかなかの長編作品ですが、
「ファンタジア」は音楽のオムニバス作品なので、実は分割して見るのにも向いています。
一番長い田園交響曲ですら30分未満でまとまっています。
自分の好きなパートだけ抜粋して見たり、
日をまたいでもストーリーを忘れちゃって前から見直す、みたいなことも必要ないです。
実は曲間の解説パートは結構フランクで面白い小話が聞けるので、
時間がある人は飛ばさずに見てみることをお勧めしますが、
要は色々な見方がしやすい柔軟性のある作品だということです。
こんな人は避けた方がいいかも…(作品の注意点、内容バレ少しあり)
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ストーリー性のある映画を見たい人
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クラシック音楽の原曲に思い入れが強い人
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こわさへの耐性が全くない人
1。ストーリー性のある映画を見たい人
柔軟性のある楽しみ方ができるということの裏返しですが、
しっかりとストーリー性のある長編映画を見たい人には物足りないかもしれません。
音楽のオムニバス作品なので、全126分間のうち9割方は音楽であり、セリフはありません。
しゃべるのは曲間の解説のおじさま+α程度です。
食わず嫌いする必要はなく、見る価値のある作品であることは間違いないですが、
「今日はガッツリした重いストーリーものを見る気分だぜ!」という人は別の映画の方がいいでしょう。
2。クラシック音楽の原曲に思い入れが強い人
題目の原曲にとても思い入れが強い人は要注意です。
アニメと音楽の親和性を重視した作品のため、曲がカットや編集されている部分があります。
私のようなニワカ勢には何の問題もありませんが、
原曲をとても大切にしている人は違和感を感じるかもしれませんね。
3。こわさへの耐性が全くない人
かわいい場面が沢山楽しめる「ファンタジア」ですが、
初期ディズニーにありがちなホラー演出も少しあります。
一番露骨なのは「はげ山の一夜」ですね。
チェルノボーグという大きな悪魔がテンション上がってはしゃいでいるだけなので、
今ならかわいいとすら思うんですが、子供の時はかなり怖かったです…。
あと怖いのは「トッカータとフーガ」「魔法使いの弟子」「春の祭典」です。
かわいらしさに様々な種類があるように、怖さも多種多様です。いずれもグロはないですが。
「トッカータとフーガ」は無機質な不気味さ。
「魔法使いの弟子」はサスペンス的な怖さ。
「春の祭典」は恐竜の生存競争のシビアさ。
いずれも毛色の違った怖さがあって、大丈夫な人には全く問題ないですが、本当に苦手な人は一応注意かもしれませんね。
印象に残ったセリフ・歌詞
彼を見るとわかります。美しい音は美しい絵を描くのだと。
Now, watching him, I discovered that every beautiful sound also creates an equally beautiful picture.
by ナレーター
まとめ
クラシック音楽になじみのない人や子供さんにこそお勧めしたい名作です!
全部見るも良し、分割して見るも良し、音だけで楽しむも良し、きのこの踊りだけ見るも良し。
どういう見方でも満足できると思います!是非一度ごらん下さい!