デイビー・クロケット 鹿皮服の男(Davy Crockett, King of the Wild Frontier)の紹介と感想

アメリカの英雄、デイビークロケットのかっこいい生き様

 

あらすじ(内容バレなし)

1955年公開の実写作品。93分間。ジャンルは西部劇。

アメリカ開拓史時代の実在の英雄、デイビー・クロケットの活躍を生き生きと描く。

Wikipediaに詳細が載っていないので、下に内容バレありのあらすじも書いときます。

こんな人に見てほしい!

  • 勧善懲悪が好きな人
  • 正統派ヒーローが見たい人

こんな人は避けた方がいいかも…(注意点)

  • 歴史をもとにしたフィクションが苦手な人
  • 日本語字幕がない(吹き替えはある)
  • 真実の歴史とはかなり違う

あらすじ(内容バレあり)

第1章:クリーク戦争編

デイビー・クロケットはアメリカの開拓者で凄腕のハンターだ。

親友のジョージ・ラッセルと一緒に狩りをしている。

時は開拓史時代。アメリカ軍は領土を広げるために、先住民のクリーク族と戦争していた。

デイビーはアメリカ軍に雇われ、道案内と傭兵を引き受けていた。

ある日、ジャクソン将軍からの命令で、ノートン少佐の軍と共に敵兵の偵察に出発することになった。

敵の強さを知らないノートン少佐は、慎重に進むデイビーに痺れを切らして軍をどんどん進めてしまい、あっという間にクリーク族に追い詰められてしまう。

デイビーとジョージは銃の腕前と持ち前の機転を利かせ、たった二人でピンチから救うのだった。

偵察でクリーク族の戦士団レッドスティックスの居場所を突き止めたアメリカ軍は、先手必勝で拠点を襲撃する。

アメリカ軍はクリーク族の長3人を捕虜にしたものの、自軍も被害を被った挙句レッドスティクスの長を取り逃がしてしまうという、苦い勝利となった。

戦いは長を捉えるまで終わらない。

しかし、デイビーは、自宅に残してきた妻子たちに会うため一時帰宅するのだった。

家族と束の間の憩いの時間を過ごしたのち、デイビー達は再び戦場へ戻る。

デイビー不在の間、アメリカ軍はレッドスティックスの居所を必死に探していたが、偵察兵が全てやられてしまい、両陣営とも犠牲者だけが増えていくという泥沼状態に陥っていた。

土地勘のあるデイビーとジョージが二人で偵察に出るが、一瞬の隙をつかれたジョージが敵に捉えられてしまう。

足跡から敵の居場所を突き止めたデイビー。

和平交渉を行うが聞く耳を持ってもらえず、決闘で勝てば言うことを聞くというクリーク族の掟に従い、長と決闘する。

激闘の上、デイビーはレッドスティックスの長に勝利した。

ジョージは無事に解放され、必死の説得の甲斐あって和平協定の締結も行われ、クリーク戦争は終わった。

和平協定は、先住民の住環境をこれまでどおり保証するという、極めて神聖で平和的な内容である。

この戦いで活躍したデイビーの名声は、アメリカ国中に広がるのだった。

第2章:新天地編

戦争が終わり、春が来た。

デイビーとジョージは、より良い住処を探すため家族を残して西に旅立つ。

ミシシッピ河のほとりの豊かな自然を気に入ったデイビー達は、地元の開拓村を訪れる。

その村はビッグフットというならず者が暴力と武器で好き放題しており、地主も他の住民も弱り果てていた。

ビッグフットは先住民のチェロキー族を勝手に追放しては、分捕った土地を違法に売り払って暴利をむさぼっていた。

デイビーは村の射撃大会で、その抜群の実力でビッグフットに勝利し、一泡吹かせる。

みんな大喜び。デイビーに治安判事になってくれるように依頼する。

デイビーは迷ったが、目の前でチェロキー族に暴力が振るわれ、女子供がおびえる姿を見て正義の心を燃やし、役目を引き受けることにした。

初仕事は、横暴なビッグフットの逮捕だ。

説得など通じないビッグフットには拳で分からせるしかない。

激闘の末、デイビーは無事ビッグフットを逮捕し、開拓村に平和が戻った。

平和を取り戻した英雄を、開拓村の代表・地方議員として推薦しようと住民たちは考えた。

政治など分からないが、人々の平和な暮らしを守るために働くことはできると立候補の意志を固めるデイビー。

そこへ、義理の妹からの手紙が届く。

内容は、最愛の妻の死を知らせるものだった。

彼は深い悲しみに沈み、何もかも投げ出そうかと考えたが、開拓村の人々の希望を無視することはできないと、絶望の淵から立ち上がり、選挙に立候補する。

議員選挙はデイビーの圧勝。

もともと英雄で人気があったし、彼の親しみやすい人柄や軽快なジョークは人々の心をつかむのにうってつけだったのである。

第3章:政治家編

デイビーは州地方議会の議員として大活躍し、相変わらずみんなに大人気だ。

また、ジョージが小説を出版したことで、もはやデイビー・クロケットはアメリカの生ける伝説であると言っても過言ではなかった。

ある日、かつて軍の将軍だったアンディ・ジャクソンに再会する。

ジャクソンは大統領選に出ようとしており、英雄であり地方議員として名高いデイビーを味方にすれば心強いと考えており、デイビーに合衆国の下院議員に立候補するように頼む。

デイビーは開拓村の人々の暮らしのためにと立候補し、見事下院議員に当選した。

ジャクソンも目論見通り、大統領になることができた。

ジャクソン大統領はアメリカをより発展させるため、領土をどんどん拡張する政治方針を打ち立てた。

デイビーは、それが先住民と昔結んだ和平協定を破ることにならないかと苦言を呈するが、ノートン議員はデイビーを遠方の遊説に行かせ不在にしている隙に、先住民の強制移住法案を通そうとする。

遊説を名目に体よく遠くへ追い払われたことに途中で気がついたデイビーは、遊説を中断してワシントンへ舞い戻った。

そして、議員達に、神聖な和平協定を一方的に破って先住民を脅かすような野蛮な法案を通すのであれば、責められるべきは自分たちだと怒りの演説を行う。

怒りの演説は議員たちの心をうち、強制移住法案は否決された。

しかし、遊説を抜けて勝手な行動をとったことで、デイビーの政治家生命は終わりを告げた。

最終章:アラモ砦編

議員を辞めたデイビーと親友のジョージは、当てのない旅路にあった。

新聞でテキサス州がメキシコから独立しようと戦争していることを知ったデイビーは、渦中の人々の自由のために混乱のテキサス州へ向かう。

テキサス州の開拓村は既にメキシコに墜とされ、わずかな生き残りはアラモ砦に籠城していた。

デイビー達は砦を囲む2000人を超えるメキシコ軍の包囲網を突破し、アラモ砦に駆け込む。

砦の中には熱病を発症したジェームズ・ボウイ大佐とウイリアム・トラヴィス中佐をトップに、200人の味方と尽きそうな食料とわずかな弾薬が残るのみだった。

援軍は来ない。ただ粘るしかない。

自らの命を犠牲にしてでも、テキサスの自由を勝ち取るという強い決意を固めるアラモ砦の味方たち。

夜明けとともに、メキシコ軍の猛攻が始まり、仲間たちは次々と凶弾に倒れる。

デイビー・クロケットは最後の一人になっても、自由のために戦うのだった。

印象深いセリフ

When I’m sure I’m right, I go ahead.

俺はどんな時だって、自分を信じる。

by デイビー・クロケット

個人的な一押しポイントと感想(内容バレあり)

  • デイビー・クロケットがイケメン
  • 今時めずらしいストレートなヒーロー成分
  • 史実と比較すると歴史の勉強になる

デイビー・クロケットという名前を今回初めて知りました。

アメリカ開拓史時代の実在の英雄だそうです。

世界史を履修しておらずアメリカ開拓史のことが分からないのですが、この作品自体は特に前提知識がなくても純粋に楽しめますね。

凄腕で真っすぐな心を持ったイケメンハンターが、弱きを助け、強きをくじく話です。

史実のデイビー・クロケットはこの作品のような、人種わけ隔てなく優しいということはないでしょうし、アンディジャクソンは先住民の人権を完全無視した大虐殺を繰り返したようですし、強制移住法案は史実では実施されたようです。

こういう歴史に準じたフィクションはテーマとしてなかなか繊細で難しいですね。

何でもかんでも「史実と違うからNG!放送禁止!」とするのではエンタメの意味がない。

かと言って、過去の良くないことを美化しまくるのもちょっとな…という感じ。

真面目に考えるのであれば、この作品を楽しんだ上で本当の歴史を学び、その違いをきちんとわきまえることが大事でしょうね。

まとめ

歴史ものと考えずに純粋なエンタメとして考えるとさわやかで面白い作品です。

今回、あらすじを記載するにあたりwikiレベルではありますが軽く史実との比較をしたことで歴史の勉強になりました。

たまには、こういう勉強の仕方もいいかもしれませんね。

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