季節の移ろい、自然の美しさと過酷さを絵と音楽の力を最大限に使って美しく描いた力作
Love is a song that never ends
Life may be swift and fleeting
Hope may die
Yet love’s beautiful music
Comes each day like the dawn
愛は永遠の歌 命はかなく 消えても美しい歌は 限りなく生まれる
あらすじ
1942年公開のアニメーション作品。74分間。
小鹿のバンビが生まれる。生まれたばかりのバンビは、ウサギのとんすけやスカンクのフラワーと友情を育み、母にも愛されて豊かな自然の中ですくすくと成長する。
しかし、ある日人間がやって来て…
こんな人に見てほしい!
- もふもふ、ふわふわ、きゅるるんとした動物を見たい人
- 森の美しさ、季節のうつろいの映像美を見たい人
- 音響効果を楽しみたい人
こんな人は避けた方がいいかも…
- 悲しい展開を見たくない人
- ラブストーリー要素は一応あるが控え目
感想
「リアリティがあるのに、ちゃんとアニメでかわいいもの」を作ってやるんだという当時のディズニーの執念を感じさせる力作です。その美術力の高さに脱帽です。
登場動物たちが、とにかくかわいい!!!お目目がくりくりしていて、尻尾はもふもふです!!!
お顔立ちは立派なアニメなのですが、どの子も本物の動物のような自然な動き方をしているのがすごいのです。前年度の「ダンボ」の登場動物たちは浮世離れした動きが目立ったことを考えると(サーカスが舞台だったからだと思いますが)、おなじ動物系の映画でも、全く違う方向の物に挑戦したのだなあと思います。
また、見逃せないのが音楽の使い方です。
風の音、水のせせらぎ、木々のざわめき…を音楽で的確に表現しています。
「人間」の姿は一度も出てきませんが、独特の不協和音を使うことで、その不気味さ得体の知れなさが嫌というほど伝わります。
歌が挿入されるのはバンビの誕生、春や恋の季節等のテンションの上がる局面に限り、それ以外では敢えて曲のみを使用してテンションを調整しているようにも思われます。
このように、絵だけでなく音にも相当気を使った芸術ポイントの高い作品だと言えるでしょう!